論文等

原著論文

Yuji Higaki,Benjamin Fröhlich, Akihisa Yamamoto, Ryo Murakami,Makoto Kaneko, *Atsushi Takahara, and *Motomu Tanaka,
Ion-specific modulation of interfacial interaction potentials between solid substrates and cell-sized particles mediated via zwitterionic, super-hydrophilic poly(sulfobetaine) brushes,
The Journal of Physical Chemistry B 121, 1396−1404 (2017).

概要: 双イオン性高分子材料は、その超親水性や自己清浄化特性だけでなくその優れた抗生体付着性から近年注目を集めている。本研究では密にパッキングしたブラシ構造をとる、ポリスルフォベタインによる、界面相互作用ポテンシャルの変調を精密計測した。細胞サイズのラテックス微粒子の界面垂直方向への高さ揺らぎを反射干渉顕微鏡でラベルフリーで検出し、高さ揺らぎの自己相関関数と実効界面ポテンシャルを求めた。ポテンシャルの二次微分(ポテンシャル曲率)は、1価の金属カチオン濃度の上昇に伴って単調増加を示したが、2価のカルシウムイオンの濃度に対しては逆の依存性を示した。このことから、双イオン性のポリマーブラシに対するイオン特異的相互作用は古典的なHoffmeisterシリーズで説明できないことが示された。ポリマー側鎖と同じ構造を持つスルフォベタインの溶液中では、高さ揺らぎの自己相関関数の減衰から求められる流体力学的摩擦係数が顕著に落ちることが見出された。この観測結果は溶液中のスルフォベタインが高分子側鎖のスルフォベタインとペアになることを示唆している。同じ計測・解析をヒト赤血球で行ったところ、ポテンシャル曲率も摩擦係数も非常に小さな値を示した。この二つの数値が小さいことは双イオン性のポリマーブラシがもつ、非常に優れた抗血液付着性を説明するものである。 
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