論文等

原著論文

Takahisa Matsuzaki, Hiroaki Ito, Veronika Chevyreva, Ali Makky, Stefan Kaufmann, Kazuki Okano, Naritaka Kobayashi, Masami Suganuma, Seiichiro Nakabayashi, Hiroshi Y. Yoshikawa and *Motomu Tanaka,
Adsorption of galloyl catechin aggregates significantly modulates membrane mechanics in the absence of biochemical cues,
Physical Chemistry Chemical Physics 19, 9937-19947 (2017).

概要: 本研究では緑茶に含まれる4つのカテキン誘導体が細胞膜モデルと相互作用するメカニズムを系統的に研究した。ガロイル基を持つカテキンは小さな単層膜ベシクルの凝集と表面圧の上昇を誘起したが、ガロイル基を持たないものは膜と相互作用を示さなかった。実際にカテキン分子の膜への分配係数を計測すると、脂質-カテキンの相互作用において支配的な役割を果たしているのが、カテキンのガロイル基とリン脂質の第4級アミンの相互作用(π-カチオン相互作用)であることがわかった。最後にカテキンが脂質膜の力学的特性に与える影響を膜の揺らぎのフーリエ解析を用いて明らかにした。1 mMのカテキン存在下(緑茶を経口摂取した後の血中濃度に対応)における脂質膜の曲げ弾性に着目すると、ガロイル基を持つカテキンの存在下では曲げ弾性が60倍以上増加するが、ガロイル基のない誘導体の場合検出できるような変化は見られなかった。このような成果は、緑茶カテキンががんの予防のような臨床治療にカテキンが作用する物理的(一般的)なメカニズムを明らかにするのに貢献する。
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