論文等

原著論文

K. Sato, I. Kunita, Y. Takikawa, D. Takeuchi, Y. Tanaka, T. Nakagaki and *H. Orihara,
Direct observation of orientation distributions of actin filaments in a solution undergoing shear banding,
Soft Matter 13, 2708-2716 (2017).

概要: 複雑液体はずりをかけると一般に複雑な振る舞いを見せるが、シアバンディングと呼ばれる流れによって誘起される相分離現象(ずり速度が速い領域と遅い領域に自発的に分離する現象)は、特に興味深い。この現象は非平衡状態であるのにもかかわらず、平衡での1次相転移現象と似たような性質を示す。シアバンディングの起源(原因)は液体内のマクロ分子の配置や配向の変化からくると予想されていたが、それを直接実験によって立証したものはこれまでになかった。今回、我々はアクチン溶液がシアバンディングを示すということと、アクチンフィラメントは蛍光分子をつけることによって直接観測できるという事実を使って、シアバンディングを起こしている水溶液の内部を直接観測することに成功した。各ずり速度領域ではアクチンフィラメントは異なる方向分布を定常的に保っており、またその方向分布であってもずり応力が一致しうることを剛体棒の応力表式をその方向分布に適用することによって示した。 【佐藤勝彦:データ解析、論文執筆折原 宏:実験のデザイン、データ解析の方法の開発、論文執筆】
| |