論文等

原著論文

Cornelia Monzel, Alexandra S. Becker, Rainer Saffrich, Patrick Wuchter, Volker Eckstein, Anthony D. Ho & *Motomu Tanaka,
Dynamic cellular phynotyping defines specific mobilization mechanisms of human hematopoietic stem and progenitor cells induced by SDF1α versus synthetic agents,
Scientific Reports 8, 1841 (2018).

概要: 造血前駆幹細胞(HSPC)の効率的な可動化は、移植治療に用いるHSPCを十分量確保するための拡大培養における大きな課題である。本研究では、骨髄ニッチモデルの構築、生細胞イメージング技術、統計物理学的手法を駆使し、臨床現場で細胞可動化に使用されている薬剤NOX-A12およびAMD3100の効果を定量し、骨髄中の遊走誘導因子SDF1αの効果と比較した。その結果、NOX-A12はCXCR4とSDF1αを介するHSPCのニッチ表面への接着を抑制し、SDF1αよりもHSPCの遊走軌道を伸長することを見出した。一方、AMD3100では細胞接着と遊走のどちらにも影響が見られなかった。さらに、SDF1αやAMD3100の添加により誘起されるHSPCの変形はNOX-A12によって顕著に抑制されることが分かった。これらの定量的手法による「動的表現系」の評価により、生体内誘導因子と比較して外部因子である薬剤の機能を明らかにした。
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