論文等

総説解説

*宮崎州正,
ガラス転移の統計物理学,
物性研究・電子版 4, 044206 (2015).

概要: ガラスとは、液体の分子がランダムに凍結してしまった状態のことだ。ガラスは固体だろうか、液体だろうか。ガラスは粘性が極端に大きい液体に過ぎないと考える人もいる。実際、ガラスは、液体を急冷して作ることは誰もが知っていることだ。ところが、液体の粘性を測ってみると、ある温度で発散しているように見える。これがガラス転移と呼ばれる現象だ。ところが、「転移」の名を冠しているのに、ガラス転移点近傍のランダムな分子配置のどこを眺めても、液体とそっくりでまったく区別がつかない。そもそも真のガラスは本当に存在するのだろうか。ガラス転移が物性物理学最大の未解決問題と呼ばれて久しいが、ソフトマター物理や情報統計力学なども巻き込みながら、最近めまぐるしく発展している。本講義では、ガラス転移物理学入門と称して、液体の非平衡物理学の初歩から最新の理論までを、スピンガラスの話題を含めながら解説したい。 【「物性若手夏の学校」講義ノート】
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