論文等

原著論文

Takuya Ohmura, Yukinori Nishigami, Atsushi Taniguchi, Shigenori Nonaka, Junichi Manabe, Takuji Ishikawa, and Masatoshi Ichikawa,
Simple mechanosense and response of cilia motion reveal the intrinsic habits of ciliates,
Proceedings of the National Academy of Sciences 115, 3231-3236 (2018).

概要: テトラヒメナやゾウリムシなどに代表される繊毛虫は池や湖などの広い空間を遊泳している印象が強いですが、実は野外では池の底や石、葉っぱの表面などの固体と液体の境界である壁面付近に多く分布していることが経験的に知られています。この壁面付近は、餌となる有機物が堆積し、周りの流れも弱くなるため環境の変化が少ない、繊毛虫にとっては生きやすい環境であると言えます。しかしながら、遊泳しているはずの繊毛虫テトラヒメナがどのようにして壁面を検知してその付近に集まるのか、といったメカニズムは解明されていませんでした。我々は、繊毛虫テトラヒメナが壁面付近を泳ぐ際の動きを実験で観測し、計測結果を流体シミュレーションで検証しました。その結果、繊毛虫が壁面にとどまり続ける性質が「推進力を生み出す繊毛の機械的な刺激応答特性」と「繊毛虫の細胞形状」という単純な2つの要素だけで説明できることを明らかにしました。それにより、エサを食べる際の壁を這う運動と、エサ場を探して壁から壁へと水中を高速で泳ぐ2つの運動とが、テトラヒメナ自身も特に意識すること無く自動的にスイッチする形で両立されている事が分かりました。
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