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A02-001折原グループ

論文等 | 原著論文

2017

*Yuji sasaki, Motoshi Ueda, Khoa V. Le, Reo Amano, Shin Sakane, Shuji Fujii, Fumito Araoka, and Hiroshi Orihara,
Polymer-stabilized micropixelated liquid crystals with tunable optical properties fabricated by double templating,
Advanced Materials 29, 1703054/1-7 (2017).

概要: 自己組織化がもたらすソフトマターのナノ・マイクロ構造は外場によって物性を制御できるため機能性材料を作る上で注目を集めている。液晶のトポロジカル欠陥は、コロイドや分子の自己集合化、光渦の発生などに応用できる興味深い構造である。その一方で、多数のトポロジカル欠陥を広範囲に渡って安定的に保持することは難しいとされてきた。本研究では、正方格子状に並んだトポロジカル欠陥から構成される液晶パターンを光重合化によって高分子安定化させる。まず、自己組織化によるパターン形成を第一の鋳型として、光重合性モノマーをピクセル状に配置し高分子安定化する。続いて、出来上がった高分子ネットワークを第二の鋳型とし、その中に他の液晶分子を埋め込むことを試みた。この二段階にわたる分子のテンプレート化によって、温度や電場で光学物性を制御可能なマイクロピクセル状の液晶構造を作成可能であることを示した。【表紙に選ばれた】

*Hiroshi Orihara, Nobutaka Sakurai, Yuji Sasaki, and Tomoyuki Nagaya,
Direct observation of coupling between orientation and flow fluctuations in a nematic liquid crystal at equilibrium,
Physical Review E 95, 042705/1-6 (2017).

概要: ネマチック液晶は長距離の配向秩序を持ち、棒状分子の平均配向方向はダイレクターと呼ばれる単位ベクトルで表される。ネマチック液晶の最も顕著な性質の一つはダイレクターと流れの結合である。すなわち、ダイレクターの変化は流れを生成し、その逆過程も存在する。今回、その配向と流れの結合を実験的に示すために、偏光顕微鏡下でダイレクターのゆらぎに起因する強度変化と光トラップされた粒子のブラウン運動の同時測定を行った。粒子の位置座標と強度の空間勾配の相互相関関数を計算したところ、これがゼロでない有限な値を取り、これより配向と流れの間に平衡状態においても結合があることが明確に示された。

K. Sato, I. Kunita, Y. Takikawa, D. Takeuchi, Y. Tanaka, T. Nakagaki and *H. Orihara,
Direct observation of orientation distributions of actin filaments in a solution undergoing shear banding,
Soft Matter 13, 2708-2716 (2017).

概要: 複雑液体はずりをかけると一般に複雑な振る舞いを見せるが、シアバンディングと呼ばれる流れによって誘起される相分離現象(ずり速度が速い領域と遅い領域に自発的に分離する現象)は、特に興味深い。この現象は非平衡状態であるのにもかかわらず、平衡での1次相転移現象と似たような性質を示す。シアバンディングの起源(原因)は液体内のマクロ分子の配置や配向の変化からくると予想されていたが、それを直接実験によって立証したものはこれまでになかった。今回、我々はアクチン溶液がシアバンディングを示すということと、アクチンフィラメントは蛍光分子をつけることによって直接観測できるという事実を使って、シアバンディングを起こしている水溶液の内部を直接観測することに成功した。各ずり速度領域ではアクチンフィラメントは異なる方向分布を定常的に保っており、またその方向分布であってもずり応力が一致しうることを剛体棒の応力表式をその方向分布に適用することによって示した。 【佐藤勝彦:データ解析、論文執筆折原 宏:実験のデザイン、データ解析の方法の開発、論文執筆】

2016

Yoriaki Nishioka, Fumiaki Kobayashi, Nobutaka Sakurai, *Yuji Sasaki, and Hiroshi Orihara,
Microscopic characterisation of self-assembled colloidal particles in electrohydrodynamic convection of a low-birefringence nematic liquid crystal,
Liquid Crystals 43(4), 427-435 (2016).

概要: 近年、異方性流体中における微粒子の界面電動現象が注目を集めている。本研究では低複屈折性のネマチック液晶を使用し、その電気対流中でのコロイド粒子の運動を光学顕微鏡によって観察した。配向場の歪みに伴うリタデーションの変化は、試料セル内部での粒子の上下運動によって、偏光顕微鏡下で明瞭な色の変化として観察されることが分かった。さらには温度をコントロールすることで、電気対流のロールが比較的小さな条件であっても、鎖状に繋がった粒子の芋虫的な運動が可能であることが分かった。

Dai Akita, Itsuki Kunita, Mark D Fricker, Shigeru Kuroda, Katsuhiko Sato and *Toshiyuki Nakagaki,
Experimental models for Murray’s law,
Journal of Physics D: Applied Physics 50, 024001 (2016).

概要: 血管や葉っぱの支脈などのような管のネットワークの形成は生物にとって重要である。なぜなら栄養を隅々まで効率よく分配しまた老廃物を回収しなければならないからである。この管のネットワークは遺伝的に決まっているものというよりは、その場の状況に合わせてフレキシブルに変化するものであり、何によってその形成がコントロールされているのかは未だ謎のままである。我々この問題に、約一日で複雑なネットワークを形成する真正粘菌を用いて実験と理論の両方からアプローチし、血管などで知られるマレー則に流体力学的視点からの解釈を与えることに成功した。

Yuji Sasaki, *V.S.R. Jampani, Chiharu Tanaka, Nobutaka Sakurai, Shin Sakane, Khoa V. Le, *Fumito Araoka, and *Hiroshi Orihara,
Large-scale self-organization of reconfigurable topological defect networks in nematic liquid crystals,
Nature Communications 7, 13238 (2016).

概要: ネマチック液晶のトポロジカル欠陥は基礎と応用の両方から盛んに研究がなされている。一般的に、液晶分子の配向にとって、欠陥はもっともエネルギーの低い状態ではないため、多数のトポロジカル欠陥が存在する場合、それらは時間と共に消滅してしまう。そのため現在は光配向を始めとした、表面にパターニングを行う手法が広く用いられている。本研究では、非晶性フッ素樹脂で覆われたセルに少量のイオンを含んだ液晶を注入し、交流電圧を印加する実験を行った。するとumbilicsと呼ばれる欠陥が格子状に広範囲にわたって安定化されることを見出した。この手法は基板表面に特別な処理をしていないため、発生した多数の欠陥を光マニピュレーションなどで再構築、制御可能であることを示した。

*Takayuki Narumi, Yosuke Mikami, Tomoyuki Nagaya, Hirotaka Okabe, Kazuhiro Hara, and Yoshiki Hidaka,
Relaxation with long-period oscillation in defect turbulence of planar nematic liquid crystals,
Physical Review E 94, 042701/1-6 (2016).

概要: 弱い乱流のカオス的移流の性質を明らかにするために、ネマチック液晶のプレーナー配向系における時空カオスの一種である欠陥乱流を実験的に研究した。観測されるパターンの動的構造因子は、単純な指数緩和と弱い減衰振動の和によって表された。単純緩和は位相変調の結果として生じ、減衰振動は、局所領域における欠陥対のグライドによって生じる。また、各緩和は乱流輸送を巨視的な寄与と揺らぎに分離する射影演算子法によって解析的に導かれる。その結果、欠陥乱流の非熱的揺動は2つの独立したマルコフプロセスに分離された。 【長屋智之:画像解析ソフトウェアの作成、日高芳樹:研究の構想・総括】

Koutaro Nakagome, Katsuhiko Sato, Seine A. Shintani, *Shin’ichi Ishiwata,
Model simulation of the SPOC wave in a bundle of striated myofibrils,
Biophysics and Physicobiology 13, 217-226 (2016).

概要: 横紋筋は一般にその中間活性状態で自励振動(自発的に収縮・弛緩を繰り返す現象)を示すことが知られている。近年我々は筋肉の構造を反映した数理モデルを構築し、筋肉の最小単位であるサルコメアのレベルでその自励振動が自然に説明できることを示し、またそのサルコメアモデルを筋原線維のレベルまで拡張した。今回の論文では、その筋原線維モデルをさらにバンドル化し、筋繊維のレベルでの筋肉の自励振動の振動パターンについて研究を行った。実験とよく対応した振動パターンが再現されることがわかりさらに実験での予言も提案された。

*Tomoyuki Nagaya, Yuki Satou, Yoshitomo Goto, Yoshiki Hidaka, and Hiroshi Orihara,
Viscosity of Liquid Crystal Mixtures in the Presence of Electroconvection,
Journal of the Physical Society of Japan 85, 074002/1-4 (2016).

概要: 誘電異方性が正のネマチック液晶EBCAと負のネマチック液晶MBBAの混合液晶において,液晶電気対流が発生するときのみかけの粘性の電圧依存性を測定した。誘電異方性が負の場合には,高電圧下で粘性の減少が確認できた。これは,負の電気的応力によるものと考察した。 【折原宏:理論的考察、日高芳樹:液晶対流実験についての助言】

2015

*Shigeru Kuroda, Seiji Takagi, Toshiyuki Nakagaki and Tetsuo Ueda,
Allometry in Physarum plasmodium during free locomotion: size versus shape, speed and rhythm,
Journal of Experimental Biology 218, 3729-3738 (2015).

概要: 真正粘菌変形体のアメーバ運動におけるアロメトリースケーリング則の実験的解明。変形体のサイズを、100マイクロメートルから10センチメートルまでかえて、移動速度、細胞形状、収縮リズムを測定した。(1)進行する変形体は先端部が最も厚く、後方に向かい指数関数的に減少する。細胞体型はサイズとともに変化し、小さいもの程、ずんぐりむっくりしている。(2)平均移動速度は、先端部の平均厚みに比例する。(3)収縮リズムの周期はサイズとともに対数関数的に増大する。以上のような特徴に基づき、変形体移動の数理モデルを提案した。

*Yoshiki Hidaka, Megumi Hashiguchi, Noriko Oikawa, Shoichi Kai,
Lagrangian chaos and particle diffusion in electroconvection of planar nematic liquid crystals,
Physical Review E 92, 032909/1-6 (2015).

概要: プレーナー配向系の液晶電気対流に現れる2種類の散逸構造の揺らぎ「欠陥乱流(対流ロールの揺らぎ)」「時空間欠性(秩序構造と乱流の共存)」について、Lagrange的観点から統計的性質を明らかにした。とくに、注入された孤立粒子の運動の追跡(非熱的Brown運動)の手法を用いた。欠陥乱流では、粒子は1つのロールにトラップされ、ときどき隣のロールにジャンプする。そのジャンプ頻度の制御パラメータ依存性からロール間の活性化エネルギーを得た。時空間欠性では、秩序領域と乱流領域では拡散係数の値に大きな違いがある。したがって1つの粒子の拡散係数の時間変化は、間欠的に変化する2値時系列とみなすことができる。一方、空間の1点での状態の変化(Euler的観点)も、秩序と乱流の間で間欠的に変化する。どちらの場合も秩序状態の持続時間の変化はべき分布を示したが、べき指数が異なることがわかった。

Misato Iino, *Yoshiki Hidaka, Fahrudin Nugroho, Rinto Anugraha, Hirotaka Okabe, Kazuhiro Hara,
Responses of spatiotemporal chaos to oscillating forces,
Physical Review E 92, 012916/1-5 (2015).

概要: 液晶電気対流において、Nambu-Goldestoneモードである液晶配向と対流の相互作用によって生じる散逸構造の揺らぎ「ソフトモード乱流」の動的性質を明らかにするために、その交流磁場応答を調べた。ソフトモード乱流は対流ロールの向きに関する時空カオスであるが、磁場を印加するとNambu-Goldstoneモードの励起が抑えられるためロールの向きがそろう。そのそろう程度を定量化した秩序変数の時間変化を測定し、交流磁場応答の複素感受率を得た。低周波数磁場に対する複素感受率はDebye型緩和スペクトルによく合い、カオス誘起摩擦による緩和時間が得られた。一方、高周波数ではDebye型緩和から外れ、秩序変数の大きな揺らぎが生じた。

Jaka Fajar Fatriansyah and *Hiroshi Orihara,
Electric-field-induced flow-aligning state in a nematic liquid crystal,
Physical Review E 91, 042508/1-7 (2015).

概要: せん断流およびdc電場下におけるネマチック液晶に弱いac電場を印加したときの応力の応答を測定した。dc電場を変えると応答が異なる二つの状態(流動配向状態と非配向状態)が明瞭に観測された。前者の状態では液晶の配向ベクトルがせん断面内にあるのに対し、後者ではこの面から外れている。dc電場を印加すると非配向状態は配向状態へと変化させることができる。配向状態から非配向状態の転移において応力応答が増大し、緩和時間が長くなることを見出した。流動配向状態における実験結果をレスリー・エリクセン理論に基づいて議論した。

*Yuji Sasaki, Hikaru Hoshikawa, Takafumi Seto, Fumiaki Kobayashi, V. S. R. Jampani, Stephan Herminghaus, Christian Bahr, and Hiroshi Orihara,
Direct visualization of spatiotemporal structure of self-assembled colloidal particles in electrohydrodynamic flow of a nematic liquid crystal,
Langmuir 31, 3815-3819 (2015).

概要: 非平衡条件下におかれたソフトマターにとって、その時空間のダイナミクスを調べることは極めて重要である。本研究では共焦点レーザー走査顕微鏡を用いることにより、液晶電気対流中におけるコロイド粒子の運動を三次元的に直接観察した。とりわけ鎖状に繋がった粒子の芋虫運動を可視化することで、その持続的な運動が液晶の弾性力、電気泳動、電気対流の三つの効果によって可能となっていることを明らかにした。さらにコロイド粒子の表面処理の方法よって、運動の軌跡がどのように変化するかについても詳細に示した。

*Jean-Paul Rieu, Helene Delano-Ayari, Seiji Takagi, Yoshimi Tanaka, Toshiyuki Nakagaki,
Periodic traction in migrating large amoeba of Physarum Polycephalum,
Journal of Royal Society Interface 12, 20150099 (2015).

概要: 張力顕微鏡技術を用いて真正粘菌の微小変形体のアメーバ運動を観察した。いくつかの張力パターンがあることがわかった。

2014

*Yang Ho Na, Yuki Aburaya, Hiroshi Orihara, Kazuyuki Hiraoka, and Youngbae Han,
Electrically induced deformation in chiral smectic elastomers with different domain structures,
Physical Review E 90, 062507/1-6 (2014).

概要: 配向度の異なる2種類の液晶エラストマーにおける電場誘起ひずみを試料表面に蛍光微粒子を分散させることにより定量的に測定した。配向度の低い試料LCE1ではせん断ひずみが、配向度の高い試料LCE2では伸縮ひずみが支配的であることが分った。さらに、ひずみテンソルの固有値を求めたところ、LCE1の方がLCE2より大きいことを明らかにし、その理由を分域構造をもとに議論した。

Yuji Sasaki, Yoshinori Takikawa, V. S. R. Jampani, Hikaru Hoshikawa, Takafumi Seto, Christian Bahr, Stephan Herminghaus, Yoshiki Hidaka, and *Hiroshi Orihara,
Colloidal caterpillars for cargo transportation,
Soft Matter 10, 8813–8820 (2014).

概要: 流体中の微小物体の輸送は、ドラッグデリバリー、平衡から離れたアクティブマター、ラボ・オン・チップ等の科学分野において広く必要とされている。ここでは、液晶電気対流(EHC)を用いたネマチック液晶中の単体のコロイド粒子および鎖状に繋がったコロイドチェインの方向づけられた運動を報告する。コロイド回りのダイレクターの非対称な配向は、コロイド粒子においてはEHC中の一方向へのホッピングを、コロイドチェインに対してはロール軸に垂直な方向に芋虫のような運動をもたらした。コロイドチェインを微小荷物の牽引エンジンとして使えることを例証した。(表紙に選ばれた)

Jaka Fajar Fatriansyah, Yuji Sasaki, and *Hiroshi Orihara,
Nonequilibrium steady-state response of a nematic liquid crystal under simple shear flow and electric fields,
Physical Review E 90, 032504/1-8 (2014).

概要: せん断流および直流電場下のネマチック液晶における交流電場に対する応力応答を測定した。1次および2次応答が高周波側において消えず、有限の一定値をとることを見出した。実験結果はエリクセン‐レスリー理論から導出した理論式と良く一致した。また、応力応答におけるパロディーの関係式(オンサーガーの相反関係)の役割を論じた。

*Yoshiki Hidaka and Noriko Oikawa,
Chaos and Spatiotemporal Chaos in Convective Systems,
FORMA 29, 29-32 (2014).

概要: カオスの初期の研究の多くは,空間的に制限された対流系で行われてきた.一方,空間的に広がった系では時空カオスが生じる.カオスが明確な定義があるのに対し,時空カオスには統一的な定義がない.液晶電気対流の3つの時空カオスに対し,統一的な定義を提案する.

*Itsuki Kunita, Shigeru Kuroda, Kaito Ooki, Toshiyuki Nakagaki,
Attempts to retreat from a dead-ended long capillary by backward swimming in Paramecium,
Frontiers in Microbiology 5, Article 270 (1-8) (2014).

概要: 繊毛虫ゾウリムシのキャピラリー空間(展開できない程細く、行き止まりになっている空間)からの脱出行動を観察した。行き止まり地点で通常の障害物回避行動としての短期後退運動(少し後退して方向転換する)を何度も繰り返した後、長期後退(短期後退の10倍ほど)という新しい行動様式を発現した。キャピラリーはそれ以上に長いので脱出はかなわなかったが、繰り返し長期後退運動を見せた。この長期後退運動が生まれるしくみとして、膜電位の運動方程式のレベルで考察した。ゾウリムシの遊泳は、繊毛打の調節によっているが、これが膜電位、特にカルシウムイオンの流れに帰着できることが知られている。これまでに提案されているホジキンハクスレー型の方程式に基づき、イオンチャネルの分子動態から予見される遅い運動モード変数を導入したところ、長期後退行動を再現できた。ゾウリムシの行動創発の機構を物理的に解明した事例として興味深いと思われる。

*Itsuki Kunita, Shigeru Kuroda, Kaito Ooki, Toshiyuki Nakagaki,
Attempts to retreat from a dead-ended long capillary by backward swimming in Paramecium,
Frontiers in Microbiology 5, 270 (2014).

概要: 転回できないような細いガラス管にゾウリムシを閉じ込めたところ、通常の障害物回避反応である短期後退遊泳とは異なる長期後退遊泳(5−10倍長い後退距離)が観察された。これは、ガラス管から脱出するのに有効な新しい行動様式である。この新規行動様式が生じる機構について、ゾウリムシの後退遊泳を制御するホジキンハクスレー型膜電位方程式に基づいて提案した。

Satoshi Aya, Yuji Sasaki, Damian Pociecha, Fumito Araoka, Ewa Gorecka, Kenji Ema, Igor Musevic, Hiroshi Orihara, Ken Ishikawa, and *Hideo Takezoe,
Stepwise heat-capacity change at an orientation transition in liquid crystals,
Physical Review E 89, 022512 (2014).

概要: 単一のネマチック相において温度変化によって水平と垂直配向状態間で自発的かつ不連続に起こるアンカリング転移を報告する。この系においてガラス転移と類似のステップ状の熱流の変化が高精度示差熱測定によって観測された。比熱のジャンプが試料体積に依存しないことから水平と垂直配向状態は異なる自由エネルギーを持つこと、および斜入射X線回折測定によりセル表面における準スメクチック層の形成がアンカリング転移の引き金となることを明らかにした。

2013

Yoshinori Takikawa and *Hiroshi Orihara,
Persistence of Brownian motion in shear flow,
Physical Review E 88, 062111/1-5 (2013).

概要: せん断流下のブラウン運動の持続性について研究を行った。粒子が時間t秒後に元に戻らない確率は持続確率と呼ばれ、冪関数に従うことが知られている。本研究ではせん断流下において平均の流れを除いたゆらぎの部分にだけ関係した量の持続指数を実験および理論から求め、両者を比較し、良い一致を得た。

Masaru Suzuki, Hiroshi Sueto, Yusaku Hosokawa, Naoyuki Muramoto, Takayuki Narumi, Yoshiki Hidaka, and Shoichi Kai,
Duality of diffusion dynamics in particle motion in soft-mode turbulence,
Physical Review E 88, 42147 (2013).

概要: 液晶対流の時空カオス「ソフトモード乱流」に混入した微粒子の示す“非熱的Brown運動”の統計的性質を調べた.粒子の運動は,局所的な対流ロール中の速い運動とグローバルなパターンダイナミクスを反映した遅い運動に分けられることを示した.また,拡散係数の粗視化時間依存性によって,速い運動と遅い運動による拡散の質的な違いを明らかにした.さらに,速い運動に対するモデルを提案し,速度分布の非Gauss的なテールが実験結果と一致することを示した. 【日高芳樹(研究テーマ立案,実験補佐)】

Jaka Fajar Fatriansyah and *Hiroshi Orihara,
Dynamical properties of nematic liquid crystals subjected to shear flow and magnetic fields: Tumbling instability and non-equilibrium fluctuations,
Physival Review E 88, 012510/1-9 (2013).

概要: せん断流と磁場下にあるネマチック液晶のダイナミクスをエリクセン・レスリー理論を基に調べた。安定および不安定領域が磁場とせん断速度に依存して現れた。不安定状態ではタンブリングが見られた。磁場の関数として不安定領域を3次元プロットしたところ、相図は粘性係数に強く依存することがわかった。ランジュバン方程式よりディレクターゆらぎの相関関数と応答関数を求め、搖動散逸定理について考察を行った。