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A03公募(2016-17) 内田 就也

論文等 | 原著論文

2016

Yoshiaki Kinosita, *Nariya Uchida, Daisuke Nakane and *Takayuki Nishizaka,
Direct observation of rotation and steps of the archaellum in the swimming halophilic archaeon Halobacterium salinarum,
Nature Microbiology 1, 16148/1-9 (2016).

概要: 古細菌はアーケラム(古細菌べん毛)とよばれる回転するフィラメントを用いて遊泳する。その機構を理解するため、われわれはモデル生物であるハロバクテリウム・サリナラムに注目した。量子ドットの3次元トラッキングによって、古細菌べん毛の左ねじ螺旋運動の詳細な可視化を可能とした。全反射照明蛍光顕微鏡と組み合わせた先進的な解析手法(クロス・キモグラフィー)が開発され、回転率 23±5 Hzで回転する右ねじ螺旋構造が明らかになった。これらの構造的、運動学的パラメータを用いた流体力学モデルによって、遊泳および歳差運動を数値的に再現し、モータートルクを 50 pN・nm と評価した。最後にテザードセル法によって、約36°または 60°間隔での回転の一時停止を観察した。これは1個の ATP を消費する1つのステップであると推測され、このことからモーターのエネルギー効率は 6〜10% と計算された。 【西坂崇之(研究計画全般の統括と実験の企画、実行)】

Yi-Teng Hsiao, Kuan-Ting Wu, Nariya Uchida, and *Wei-Yen Woon,
Impurity-tuned non-equilibrium phase transition in a bacterial carpet,
Applied Physics Letters 108, 183701/1-5 (2016).

概要: バクテリアカーペットが示す非平衡相転移における不純物効果を光ツイーザー・マイクロビーズアッセイによって調べた。V. alginolytics の変異株 (NMB136)からなるカーペット上の集団的な流れは臨界 Na+ 濃度において急激な増加(2次相転移的な挙動)を示す。不純物として野生株(VIO5)を最大 50% まで混入し、相転移挙動の変化を調べた。低濃度(25% 以下)では臨界 Na+濃度が上方にシフトし、高濃度では相転移曲線の鈍化と秩序相における流れ強度の減少が見られた。