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A03公募(2016-17) 柳澤 実穂

論文等 | 原著論文

2018

Chiho Watanabe and *Miho Yanagisawa,
Cell-size Confinement effect on Protein Diffusion in Crowding Poly(ethylene)glycol solution,
Physical Chemistry Chemical Physics, in press.

概要: 細胞内の複雑な分子拡散に対する「高分子混雑環境」と「細胞膜によるミクロ空間閉じ込め」の影響を解明するため、脂質膜で覆われた高濃度高分子液滴を細胞モデルとして用い、内部でのタンパク質拡散を実験的に解析した。その結果、高分子濃度と閉じ込めサイズに応じた異常拡散が生じることを見出した。

Atsushi Sakai, Yoshihiro Murayama, Kei Fujiwara , Takahiro Fujisawa, Saori Sasaki, Satoru Kidoaki, and *Miho Yanagisawa,
Increasing Elasticity through Changes in the Secondary Structure of Gelatin by Gelation in a Microsized Lipid Space,
ACS Central Science, in press.

概要: 脂質膜で覆われた細胞モデル内においてゼラチンがゲル化すると、2次構造が変化することによって、通常のゲルよりもゲル弾性率が高くなることを見出した。 【柳澤:研究全体の総括,藤原:ゼラチンの構造解析に貢献】

2017

*Kei Fujiwara, *Miho Yanagisawa,
Liposomal internal viscosity affects the fate of membrane deformation induced by hypertonic treatment,
Soft Matter 13, 9192-9198 (2017).

概要: 細胞質のように高粘性な高濃度高分子溶液を内包したリポソームが、高浸透圧下で脱水する際に示す膜変形機構を解析した。その結果、膜変形のパターンが内部粘性値に依存して変化し、ある閾値を超えると小胞化からチューブ形成へ転移することを見出した。 【藤原慶・柳澤実穂:全ての実験及び解析】

Kenji Nishizawa, Kei Fujiwara, Masahiro Ikenaga, Nobushige Nakajo, Miho Yanagisawa , and Daisuke Mizuno,
Universal glass-forming behavior of in vitro and living cytoplasm,
Scientific Reports 7, 15143 (2017).

概要: 様々な細胞から抽出したが非常に多成分な細胞抽出液が示すレオロジー特性と、その高分子濃度依存性を解明した。 【柳澤実穂:細胞モデルなかでの高分子溶液の粘度測定】

Chikako Kurokawa, Kei Fujiwara, Masamune Morita, Ibuki Kawamata, Yui Kawagishi, Atsushi Sakai, Yoshihiro Murayama, Shin-ichiro M. Nomura, Satoshi Murata, *Masahiro Takinoue, and *Miho Yanagisawa,
DNA cytoskeleton for stabilizing artificial cells,
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 114, 7228-7233 (2017).

概要: リポソームの強度を上げるため、細胞骨格のように膜を支えるネットワーク構造をDNAナノテクノロジーにより構築しました。本研究で用いたDNAは、温度低下に伴い、分岐を維持しながら互いに結合してネットワーク状の構造を作ります。またDNAはマイナスの電荷を帯びているため、リポソームの中のみにプラスの電荷を帯びさせることで、プラスとマイナスの引き合いにより膜直下へDNAの骨格を形成させることができました。リポソームは通常わずかな浸透圧差で崩壊してしまいますが、DNAからなる骨格を持つことにより体内で想定される浸透圧変化環境においても崩壊しないことを確認しました。この補強機能は、DNAが互いにネットワークを組むことに由来し、さらにその強度はDNAの塩基配列により決定されています。そのため、DNA構造を設計することによる強度制御が期待されます。 【藤原慶,リポソーム作成の実験的サポート】